2009/03/27

アーティスト・ファイル2009

●お尻がもぞもぞ●
◇大平實《家》他
木工室で無意識に机に腕をのばしたら、そこがちょうどささくれていて棘が刺さったときのように、お尻もぞもぞ。触りたいような、触りたくないような・・・もどかしい気持ちになってしまう。
この作品の前で転んで、顔から突っ込んでしまったら・・・と考えると、ぞわーーーーーーっとくる。
そんな感覚が懐かしくもある作品群。





●最近、写真がすき。●
◇石川直樹《POLAR》《NEW DIMENSION》《Mt. Fuji》《VERNACULAR》
確かな人の気配のする写真を撮る人。それが被写体に関わる人であったり、作家自身であったりはするけれど、人間の匂いがする。
感覚的にはみんなが撮るスナップ写真に似ていて、カメラの前のものがそのまま写し出されている。
写真があまり得意ではなかったけど、最近好きになってきた、と感じたのはなぜだろう。


●圧倒的なおもしろさに巻き込まれる●
◇齋藤芽生 花輪のシリーズ
何でも、絵の中に描けるような気がした。三次元も四次元も、あらゆるものが二次元の中に再現できるのではなかろうか、と考えてみた。
このシリーズは、絵を描くというよりも、絵の中に物体を描いて組み上げているイメージ。モティーフの実物で組み上げると物理的に無理なので、絵で描くことでそれを解決しているように思う。絵をみている感覚よりも、インスタレーションを見ている感覚に近かったことが、とっても不思議。

◇齋藤芽生《徒花図鑑》他、花のシリーズ
チェ・ウラムの生命体を思い出す。似たような感覚で好きだけど、こちらはもっとブラックな乙女色が強い。真っ赤な壁の小部屋の印象も強いけど、絵自体の色使いが錦絵のように鮮やかで、どこか春画の匂いも遠くで感じる。

この他の作品にも引き込まれ、どかーっと齋藤さんの作品群のおもしろさに襲われた。


●頭、痛い・・・●
◇宮永愛子《色–color of silence–》
ナフタリン。展示室に匂いが充満していて、頭がきーん。少しずつ揮発して、形をとどめることのない作品は、一見、儚くもあるけれど、結晶化した元作品の一部には殺意すら覚える。
ナフタリンでの造形は半透明で美しいし、こどものおもちゃや赤ちゃんのファーストシューズなど、可愛らしく愛らしさに思わず心がほっこりするものの、薬の独特の恐怖感、匂いで頭が痛くなる程に感じた。


前回の2008と同様に、展示全体がまとまっていて、リズムがある。
最初にインパクトを与え、そのまま引き込み、ぎゅっと詰めて、解放し、またエンジンをかけ直して、クライマックス、で、エンディング。見せるのが上手いなあと思う展示。
難解と言われがちな現代アートだけど、ストレートで優しくてすんなりした作品ばかり。キレイに収まりすぎのようにも感じるし、物足りないと感じる人もいるだろうけど。
現美のMOTアニュアルと新美のアーティスト・ファイルはこれからも続けていって欲しいシリーズ。


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アーティスト・ファイル2009 —現代の作家たち
@国立新美術館
2009年5月6日(水)まで
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