2010/07/27

須田悦弘展

●とりあえず、部屋の隅を探す●

大好きな須田さんの個展。火曜の昼なのに、会期末だからでしょうか、常に他にもお客さんがいる状態。

なので。

どこに作品があるのか、わかってしまう。探す楽しみが、ない。人がしゃがんでいればそこには雑草があるし、覗いていれば朝顔があるし、見上げていればチューリップがあるし。

それでも、自分で見つけられるものもあるんじゃないかと、部屋の隅を、掃除機のノズルで掃除をする時のように、ずずずっと見て歩く。


●ひょっこり●

どの花も、ひょっこり。と、私ここに居ますけど、何か?と言っているように感じました。
ひとつひとつ、とても美しい作品で、空間全体をつかったインスタレーションはほどよい緊張感もあるのだけど、そのホワイトキューブな広い空間の端っこで、しゃがみ込んだり覗き込んだりしている自分もなんだか可笑しくて。

美しくてしゅっとしてる作品だなぁと思う反面、ひっそりと佇んでいる様子が愛おしい。見つけてもらうのを待っているような、でも見つかりたくないような。特に雑草。
須田さんの作品を見る感覚は、山のなかでキノコを見つけたときや、エサを運ぶ蟻に出くわしたときに似ているかもしれません。


●リアルだけどリアルじゃない●

須田さんの花をよくよく見ていたら、虫食いで空いた葉の穴や、花弁に空いた穴まで再現していることに、今さらながら気付きました。でも、どの花にも、どの葉っぱにも、穴がある。そこまですると、ちょっとやりすぎのような気がしなくもない。だって花屋で売ってる花には穴空いてないでしょ。

初めて須田さんの作品をみたときには、その精巧な作りに驚いたけれど、何度も作品に会っているうちに、敢えての作り物感があるような気がしてきました。本当にホンモノそっくりに作るならば造花のように柔らかい素材を使う手もあるのに、須田さんは木彫で作っていて、作品は実は固い(んだと思う。触ってみたいけど。)。
はじめから「作品」と思って見てしまうので、余計にかもしれません。それってちょっと寂しいと思いました。

直島では、清掃のおばちゃんが「雑草が生えてしまった!」と思って、慌てて抜いたんだそうです。そんな仕事熱心なおばちゃんが実は自分が作品をひとつ壊してたと知ったときは、どんな気持ちだったんだろう。しかし、そのくらいのインパクトを持って作品に出会えたら、素敵な出会いだなぁと思います。ちょっと羨ましい。須田さんの思うつぼ、って感じでしょうか。


----------
須田悦弘展
@ギャラリー小柳
2010年7月31日(土)まで
----------

0 件のコメント: