2007/12/02

扉を開けること

大切だと思うこと、大切にしていること。

それは、作品が何かを生むこと。

作家が何かを生むために種を蒔くこと。

そして鑑賞者が自分の中の小さな変化にも気付くことができ、それを育てられること。

作家はありったけの思いを込めて作品を生み出す。


鑑賞者は作品と出会い、

作品の世界に足を踏み入れるための入り口を探す。
入り口を見つけられる、か、見つけられない、か。

美術史の本に載っている、入り口が明らかになっている作品の扉をくぐることは、きっと易しい。

入り口をくぐれば、広い世界がひろがっている。そしたらきっとそこで、鑑賞者は何かを得ることができる。

今までに経験がなかったり、複雑だったり、入り口がたくさんあって、

見つけることが難しいとき、できないとき。

そんなときは、入り口の扉を内側から開け、鑑賞者を迎え入れること。


そうすれば、一人でも多くの人に、何かを与えることができ、種を蒔くことができる。

作家がそれを望んでいても望んでいなくても、私はそれを望む。


作品について語りすぎることは、鑑賞者の自由を奪うことになるけれど、

作家について、作家の思いについて語ることは、作品の入り口の扉の鍵を渡すこと。

まずは、扉を開くこと。そうしなければ、何も始まらない。