2010/09/19

音溶け

●気持ちよさと心地よさについて●

9月18日、乃木坂にあるCABANON WOODSHEDというお店で行われたejeの夜に行ってきました。

急な階段に胸躍らせた後、一人ずつ、蚊帳の中に入って、映像をみながら、音を聞きながら、お茶をする。
人の気配を感じながら、空調の冷気を感じながら、コンクリートの冷たさを感じながら。

入り口でティーバッグのくじ引きをしたところから、いやいや、きっと予約のメールをしたところから今宵のお茶の時間は始まっていたのだと思う。映像の中に現れるティーバッグを引く手のシルエットに、自分もこの空間の一部であることを気付かされる。

外界と内界の境界は薄くて透けた布一枚だけれど、ちゃんと守られている感がして、自分のスペースがあって、でも狭さは感じなくて。これから毎日蚊帳の中で眠りたい、むしろ常に蚊帳の中に居たいと思うほど。
記憶をたどるような映像と、記憶をたどるような音に、フワフワとしながら時を過ごす。眠りにつく直前の、あの瞬間の中を、意識が彷徨う感じ。

蚊帳とティーバッグはパラレルワールドの入り口。蚊帳の中に居た寝違えた人は、お湯を注がれると透明人間になってお茶と一緒に蚊帳の外へ出て行った。ティーバッグの中の私からも何かが染み出していく。ティーバッグの中に残ったジャスミンとヨモギからはずっと良い香りがしていて、蚊帳の中に残った私の脳ミソは久々にクリアになった。

いつまでも入っていたいと思う反面、このままずっといたら魂が抜けきるような気がして、蚊帳からモゴモゴと抜け出して地上に戻ったとき、夜の空気がとても優しかった。そのまま夜道でゴロゴロしたい気分。ああ、ネコは良いな。


気持ちいい100%、心地よい100%、でもない。猫背になっちゃうし、脚もしびれるし、スカートの中も見えちゃうし、最後は後ろ髪ひかれる思いだし。しかし、そんなのもひっくるめた全部で、気持ちよくて心地よい。

なんでも「アート」と言われて片付けられてしまうように、「癒し」という言葉を安易に当てはめられてしまいそうだけれど、そんな単純なことではなくて。
自分の意識に集中するようで、でも無になるような、外と内とを行ったり来たりするような、そんな夜のお茶の時間でした。


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gÖ/eje
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また次回もあるそうです。たのしみ、たのしみ。

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