2012/02/13

あなたは、どっち? 渋谷清道展

オペラシティのアートギャラリーでみたのは、もう5年も前のことらしい。
そんなに時間が経っているような気がしないのだけど、数えてみれば、やっぱり5年。

「夜は幽霊のように見えて怖い」とスタッフの方が仰っていた。
絶対に美しい幽霊だと思う、絶対。壁や天井に映る影もきれい。

あの時は、真っ白な空間が、レース模様のように和紙を切り抜いた作品に、光を通しながら包まれていた。
今回は、さらにそれらが立体となって立ち現れて、ワイヤーを使った作品も並んでいる。

ギャラリーは3部屋に別れていて、それぞれ、金の斧、銀の斧のイメージと、泉の精霊の部屋になっている。
花のようにみえる形は、「スパイログラフ」というもので、こどものころグルグルやって描く、あれがモチーフになっているそう。(あのおもちゃ、すっごく好きだった。ああ、だから渋谷さんの作品も好きなわけよ。)
始まりも終わりもなく永遠に続く形はティアラのようでもあり、泉の精霊のドレスに合わせたら、素敵だなぁなんて、そんなことに思いを馳せている自分が可笑しい。白、レース模様、それだけですぐにウェディングドレスを連想してしまうのは、歳のせいかもしれない...

これまで平面で制作してきたところに、立体にするという方法を得たことで、ぐんと表現の幅が広がったんだそう。ごく当たり前の展開のようにも感じてしまっていたのだけど、ぱっと目の前の景色に奥行きができるということは、作り手にとっては大きなことなんだろうなぁと、こちらは簡単に考えてしまうことも実はそうではないかもしれないということを改めて思った。

泉の精のドレス(作品のタイトルを確認するのを忘れてた...)になっている和紙の模様は、ひとつひとつ手作業で切り取っているそうで、相当な時間をかけた作品。一見べたっと貼っているだけのようにみえるところも、よく見ればレースが重なり合っている。時間をたっぷりと含んだドレスは、会期中も時間を含んでどんどん白くなっていくらしい。胡粉がそういう性質をもったものを使っているのだそう。白という色は、白ければ白いほどきつい色になるように感じるのだけれど(漂白のイメージ、ハイターの匂いのような)、胡粉の質感が柔らかさを保っていくように感じた。

「あなたは、どっち?」金の斧?銀の斧? 正直に言う?嘘をつく?
良心的な樵は正直に答えたけれど、はて、私は何と答えられるだろうか。
金か銀かだったら、金の方が似合うけどな。

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あなたは、どっち? 渋谷清道展
@アートフロントギャラリー
2012年2月3日(金)→2月19日(日)
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