2012/02/08

小学生の私と美術

ポール・セザンヌ《赤いチョッキの少年》1888/90頃
ビュールレ・コレクション, チューリッヒ

小学校の美術の思い出。唯一といっていいほど、学校での美術に関する記憶。

図工室の隣の準備室に、セザンヌの絵がありました。子供たちの目線からは見上げる位置にかけられていました。
小学校の頃は七不思議とか、そういったことがまことしやかに流れているもの。音楽室のベートーベンの写真がどうのこうの、とか、理科室の人体模型がどうのこうの、とか。そんな噂のひとつに、美術もちゃんと入っていました。今思えば、すごい市民権!

薄暗い準備室にかけられていたのは、《赤いチョッキの少年》。
デフォルメされた少年の身体は、小学生の目には(いや大人にだって)異様に映ります。
この絵に与えられていた噂は、「3分眺めていると、少年の右腕が伸びてくる」でした。見たまんまの内容。

十何年も前に小学校を卒業してから、すっかりそんな話は忘れていたのですが、ふと思い出したことです。
でも、よく考えてみれば、ちゃんと絵の特徴をとらえることができていたわけで、ただの怖い話で終わっているなんてもったいない話。当時は鑑賞なんてこれっぽっちもやっていなかったし、図工の授業なんて作るばかりでした。絵を描いた記憶もほとんどない。
ちょっと足を伸ばせば、箱根に美術館はあったのに、授業で行ったことはありません。なんだかなぁ。