2012/09/27

リー・ミンウェイ展 澄・微

《記憶の織物》
箱のリボンをほどいて、一つずつ丁寧にみていく。
蓋を開けると誰かの思い出や感情がふわっと溢れてくる。

だけど、心の中に残るのは箱の中身をみながら振り返った自身のことばかり。
祖母から母へ、母から娘へと受け継がれている着物のストーリーを私はニットのワンピースに置き換えて、いつか娘に着せられるように大事に着ようと思いました。それと、棒編みは気分で編み目が揃わず苦手なので、私も編み機を覚えようと。


《手紙のプロジェクト》
このプロジェクトについての作家のことばの中に、「......そしてその想いを手紙に書いて、更には他の人とシェアすれば、気持ちが楽になるかもしれない、と気付くのです。......」とあります。
私もさっき箱を開きながら心の中にあらわれてきた気持ちを書き綴りたくなったけれど、この気持ちは展示に収めるのではなくてちゃんとお墓参りをしたときに伝えようと思いました。

何に関しても、どうしても私は本人に伝えないと気が済まない質のようです。
そして、アート大好きなのにもかかわらず、こういうプロジェクトには躊躇してなかなか入っていかない質です。


他人の記憶をみる展示だけど、気がついたら自分の中にある時間を省みる展示でした。
それは一緒に住んでいた父方の祖母が亡くなってからずっと抱えていること。母方の祖母が亡くなったときに強く感じたこと。
そしてここ数年「これまでの家族」「これからの家族」についてたくさん思いを馳せていること。

主観だけで考えていたことに客観と視覚が添えられて、気持ちは変わらないけれど少しすとんと軽くなったような気分になる展示でした。まさに、Visible, Elusive.

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リー・ミンウェイ展 澄・微
@資生堂ギャラリー
2012年8月28日(火)→10月21日(日)
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