池田亮司 +/- [ the infinite between 0 and 1]

●+と-、黒と白、あるのかないのか、どっちかだけどふかい●

黒くて暗い部屋の映像と、白くて明るい部屋の音。
1階と地下の展示空間も+と-のデジタルな感覚。妙に納得してしまう構成でした。


目に見えるもの、耳に聞こえるものの全てが信号で、脳ミソをキンキンと金属で叩かれたような刺激。
自分のアナログな頭では、目の前に溢れる情報を処理できないので、電子的なものを無理矢理詰め込まれているような気分になりました。直に響いてくる感じ。そのダイレクトさが原始的に感じました。原子的でもあるのかな。
そう感じたときに、森美術館で行われた杉本博司展でのサウンド・インスタレーションを思い出し、原始の頃から人間が見ていた海を捉えた海景シリーズとのコラボレーションをやっと消化できました。

作品の作りはとても論理的であるのに、仕上がっている作品は意識を通り越した感覚的なものであるように思います。いろいろ考えてみても、その場では何がなんだかわからなくなってしまい、なんだかとっても不思議な気分になりました。無限のスパイラル、ちょっとおかしな夢を見た朝の感覚に似ているかもしれません。タイトルの [ the infinite between 0 and 1] はこの感覚でもあるような気がします。

おばけスピーカーの前で、自分だけの音の重なりをみつけてください。あまりやりすぎると、クラクラしてきます。

と、不思議な感覚に陥りつつも、モヤモヤはスッキリ吹き飛ばされるような電子シャワーです。

余談ですが、人間、暗いところでは注意深くなるけれど、真っ白で明るいところでは「見えている」つもりになってしまい注意力が無くなるのでしょうか。白い視界では遠近感もなくなって、柱や壁にぶつかりそうになりました。


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池田亮司 +/- [ the infinite between 0 and 1]
@東京都現代美術館
2009年6月21日(日)まで
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