LIFE -fluin, invisible, inaudible...- @ICC

坂本龍一とダムタイプの高谷史郎のコラボレーションによって生まれたインスタレーション


ということで、音と映像が漂う世界。映像というよりは、あまりに抽象的で「光」というほうが良いかもしれない。

広くも狭くもない暗い部屋に、天井から水槽が9つ吊るされ、映像が投影されている。


映像は水槽の中の水と霧を透過して、床に光となって揺らめく。


その横で無造作に流れる音と共に、光は水槽の下の鑑賞者に降り注ぐ。


流動するもの、見えないもの、聞こえないもの。

タイトルはあまりにも直接的で、そのまんま。のように思える。


しかし、鑑賞者は床にごろりと寝転び仰ぎ見、座って見上げ、じっと佇んでいる。彼らの心は光と音の中を漂っているのかもしれないけれど、皆動かない。光に照らし出される人の塊だけが現実に思えて美しかった。まるで時間が止まっているかのようで、ただただ光と音が揺らめいている。


永遠に続いて紡がれていく光と音。

見えないものといわれる光の中に、何かを見ようとし、聞こえないものといわれる音の中に、何かを聞こうとする。

自身の中にある記憶と知識を手繰り寄せ、じっと佇みながら頭の中でよくわからないものを構築してみたけれど、何も出来上がらなかった。何かが出来そうになっても、流れる光と音に流されてしまうのだ。

作品の中に入り込む隙間がない、完成度の高さ。圧倒的な強さを持って、頭上から降り注ぐ。


疲れている時、淀んでいる時、膿みが溜まった時、そんな時に、ただシャワーを浴びるように流されに行くのがいいのかもしれない。

坂本龍一にもダムタイプにも高谷史郎にも明るくない私は、直感的に素直に見る事ができた。詳しい人にはまた違った感じ方があるのだろうね。


ICCの展示は、会期中に再入場ができるので、作品を反芻しやすい。もう一度、光と音を浴びに行ってこよう。


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 坂本龍一 + 高谷史郎 「LIFE - fluid, invisible, inaudible...」
 @NTTインターコミュニケーション・センター
 2007年09月15日 ~ 2007年11月04日
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